小売業 2016 1 3

「商品を並べておくだけで売れる時代は終わった」
「その棚に、その商品を並べる理由を説明できる必要がある」

書名 男と女のワイン術 2杯め グッとくる家飲み編
著者 伊藤 博之  柴田 さなえ  日本経済新聞出版社

 ワインを買いに、スーパーに行ったけれど、
何を買ったらよいか、わからない。
そういう人のために、この本はあります。
 ワイン入門書は、たくさんありますが、
この本が、初心者にとって、最もわかりやすいでしょう。
 さて、興味深いところを引用しましょう。
イギリスの1年間のワイン販売量の25%を担っているのが、
大手スーパーチェーンのTesco(テスコ)。
この数字は、日本が1年間で売り上げるワインの約1.5倍の量。
 しかし、イギリスだって、20年前まではアルコールの主流は、ビール。
イギリスは、ビールの本場とも言える国で、
フランスのように食事中にワインという文化が当たり前ではありませんでした。
 にもかかわらず、この20年でワインが数千億規模のマーケットに拡大したのは、
スーパーがワインを成長分野として見越し、
消費者に訴求していったことが大きな原因です。
 このことがなければ、
イギリスもビールがアルコール類の主力商品という状況は、
今も続いていたかもしれません。
 ワインで利益を生み出したいと考えたスーパーが、
自らの戦略で起こした革命だったのです。
(引用、以上)
 日本でも、アルコール類では、ビールが主力商品でしょうが、
競争が激化した結果、もはや利益が出る商品ではなくなったと思います。
そこで、日本のスーパーも、ワイン売り場を拡大してきたと思います。
 しかし、売れない。
そりゃそうでしょう。
店員にワインの知識がなく、
客にもワインの知識がない。
これで商品が売れたら、奇跡でしょう。
 しかも、ワイン売り場で、私がいつも思うことは、
「買いにくい。選びにくい」ということです。
 ワイン好きの私ですら、スーパーのワイン売り場で戸惑うのですから、
一般の消費者は、どう思っているのでしょうか。
「何を買ったらよいのか、わからない。
面倒くさくなった。
やはりビールを買っていこう」となるでしょう。
 この本の特色は、本を書くに当たって、
まずスーパーのワイン売り場を調査したことです。
 ご丁寧なことに、本の巻末には、
ワインのスーパー陳列棚の提案があります。
 商品を並べておくだけで売れる時代は終わりました。
その棚に、その商品を並べる理由を説明できる必要があります。



































































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